2024年度 第5回スキルアップセミナー菊正宗酒造記念館見学 「酒造りから歴史を学ぶ」を開催しました。

先日2025年2月1日(土)14時30分~、今年度 第5回目のスキルアップセミナーを開催しました。

画像:菊正宗酒造(株)様HPより

今年度最終回となる第5回目のスキルアップセミナーは、酒造りの歴史を学ぶ実地セミナーで、菊正宗酒造(株)記念館の小野様にアテンドいただき、日本酒造りのほか、職人による樽造り工程や製法、盃の歴史について学びました。
セミナーは、神戸市東灘区魚崎にある菊正宗酒造記念館で開催し、計16名の参加となりました。

<酒造記念館>
江戸時代頃に確立されたと言われる日本の清酒造りの8つの工程に加え、当時の道具に関する知識を学びました。
1.会所場:休憩場、2.洗い場:コメを研ぐ工程、3.釜場:大きな釜でコメを炊く工程、4.麹室:コメに麹をふりかけ繁殖させる工程、5.もとば:麹をまぶしたコメから日本酒の元を製造する工程、6.造蔵:日本酒の元を三弾仕込みで寝かせ追加発酵をさせる工程、7.槽場:熟成させたもろみから酒を抽出する工程、8.囲場:半年から1年酒を寝かせ、秋の出荷を待つ工程
製造工程の説明では、使用する道具を確認しながら、参加者全員が熱心に聞き入っていました。

<樽酒マイスターファクトリー>

当棟では、職人がこだわりの吉野杉と竹で酒樽を手作りする工房を見学し、大型スクリーンで動画を視聴しながら、酒樽製造一連の工程について学びました。
菊正宗酒造(株)にとって酒樽は無くてはならない容器であるため、樽製造技能伝承のために樽製造会社を吸収合併し、樽職人による工法を若手職人によって引き継いでいるという、事業の戦略的な話も聞くことが出来ました。

画像:菊正宗酒造(株)様HPより

<盃展示館>

古代から現代に至るまでのさまざまな形の盃や関連資料を確認し、盃のデザインや焼き物の歴史の変遷を習得しました。縄文や弥生時代からのお酒と日本人の暮らしや宗教の関わりについて学ぶことができました。

実施後のアンケートでは、「ものづくりの匠の技を学ぶことができました。」、「見る箇所も多く、視点も変わって大変興味深い内容でした。」、「体験型の研修で、学びがありました。」というコメントがありました。

しかし一方で、酒造工程において、実際の材料投入が無かったため「ものづくりを学べたとは言えない」というご意見も一部でいただき、次回以降の実地セミナーの課題も残すこととなりました。

5段階評価で示す満足度は、大変満足(5)と満足(4)で90%以上を占め、総じて満足度の高いセミナーとなりました。  

2025/02/01
会員研修委員会